私のスケッチブック/1冊目 My Sketchbook No.1
1.ウェンゲンから見たユングフラウ/Jungfrau
記念すべき第1作。スイスアルプスハイキングに行った時、 ウェンゲンという村でユングフラウを鉛筆一色でスケッチしました。 描いている途中、通りがかりのハイキング客たち(欧米人)に、 ドイツ語やフランス語、英語など様々な言葉で 「 どれ位の時間かけて描いているのか?」「後で色を付けるのか?」 「あなたはプロか?」など、質問攻めに会いました。 相手の言っている事は大体分かるのですが、答えるのに一苦労。 「約3時間かけて描いています。色はつけません。 画家ではないです」などと、 しどろもどろの英語で必死に返事をしましたが、果たして通じたかどうか…。
2.ブライトホルン/Breithorn
2作目。ユングフラウの隣の山を 色鉛筆で実際とは違うイメージ色で描いてみました。 描き終わってふと見るとアイスクリームの屋台がありました。 売り子のお兄さんは私が絵を描いているのを見ていて 「出来た?」と言うので絵を見せたら褒めてくれました。 冷たいものが欲しかったのでアイスクリームを注文して 「幾ら?」と訊いたら 「きれいな絵を見せてくれたからノーサンキュー」と。 何て嬉しい!お言葉に甘え、 アイスをなめながらつたない英語でしばしお話。 彼は地元の人だと言うので「私の描いた山は何と言う名前ですか?」 と訊いたら「I don't know.」 え?地元民なのに知らないの? 後で調べたらブライトホルンという名前でした。
3.マッターホルン/Matterhorn
マッターホルンのふもとの村、ツェルマットのホテルの部屋の窓から見たマッターホルン。製図用のペンで描いたのですが、気圧の関係かペンの蓋を開けた時、インクが吹き出してきました。
この山はまさに「神が斧で切り取ったような」と形容される、独特の勇姿。この角度から見るのが一番美しいようです。
4.リッフェルベルグから見たマッターホルン/Matterhorn from Riffelberg
ハイキングでゴルナーグラード展望台から歩いて着いた リッフェルベルグから。 これはマッターホルンを斜め裏から見たものです。 こちら側は平べったくて中腹には氷河がありました。 手前の(と言っても山からはかなり離れていますが) 小さな教会が印象的でした。 ここは登山電車の駅から離れているので 歩かないと絶対見られない風景です。 自分の足で歩いて見た景色は最高です。
5.ログハウスとマッターホルン/
Matterhorn with log house
またまたマッターホルンです。 本当に絵になる山なので何度でも描きたくなります。 素敵なログハウスがあったのでバックに山を入れた構図で描いてみました。 後で、その家が私の泊まったホテルのオーナーの家だという事が分かりました。 オーナーの婦人が自分の家を描いてくれたととても喜んでくれて、 ホテルの中に飾りたいと言うので、 帰国してから絵をカラーコピーして郵送しました。
6.奈良井の宿/Naraishuku
これは木曽路の宿場街、中山道・奈良井の宿の風景です。クラシックな雰囲気を出したくて、 セピア風に焦げ茶一色で描いてみました。「えちごや」という、江戸時代から続く旅籠です。訪れたのは真冬だったので観光客もほとんどいなくて静かでした。
7.ブルージュの運河/Brugge
ベルギーのブルージュの、ベギン会修道院前の運河です。 かなり以前に撮った写真を見ながら描きました。 霧が出ていて、遠くが霞んでいて、とても幻想的な風景でした。 その雰囲気を出したくてモスグリーン一色で描いてみました。
8.ブルージュの馬車/Carriage of Brugge
これも同じブルージュの風景ですが、これを描いたのは飛行機の中。 別の旅行でヨーロッパへ向かう途中、長時間のフライトで退屈なので 座席でスポットライトを点けて、写真を見ながら描きましたが、 照明が暗くて細かい所がよく見えず、苦労しました。
9.バンクーバーの蒸気時計/
Steam clock in Vancouver
カナダのバンクーバーの旧市街にある蒸気時計です。 ある時間が来ると時計の上部から蒸気が出ます。スキーに行った時に立ち寄った所でしたが、19世紀風の落ち着いたいい街でした。
10.祭の少女たち/Festival at Mondsee
オーストリア・ザルツブルグ郊外、映画「サウンド・オブ・ミュージック」で、マリアとトラップ大佐が結婚式を挙げた教会のあるモントゼーという街に、お祭りの民族衣装を着た可愛い女の子達がいました。この日は大人も子供も民族衣装を着て、教会の前で手作りのクッキーを売っていました。その売り上げは施設に寄付されるそうです。
その時撮った写真を見て描きました。
11.モン・サン・ミッシェル/Mont St. Michael
これは1992年に訪れたモン・サン・ミッシェルです。 思い出に残る旅行で、友人二人とパリから TGVとローカル列車とタクシーを乗り継いで辿り着いた忘れられない場所。 普通ならパリから出ている日帰り現地ツアーを利用すれば訳ないのですが、 冬だったのでツアーが出ていなかったのです。 タクシーの窓から島が見えた時には感動で泣きそうになりました。 そんな事を思い出しながら数年後に描いた絵です。
12.セント・マイケルズ・マウント/
St. Michael's Mount
知る人ぞ知るイングランド・コーンウォール半島の先にある 「セント・マイケルズ・マウント」。 イギリス版モン・サン・ミッシェルです。 アーサー王伝説ゆかりの島で、学生時代からアーサー王に狂っていた私は、 この島の存在を知ってどうしても行きたくなりました。 でも、パッケージツアーではこんな無名の場所を訪問するツアーは無いので、 個人旅行でイギリスを訪れた時に、ロンドンから 特急に乗って、バスに乗って、渡し船に乗って辿り着きました。 モン・サン・ミッシェルよりかなり小さいですが、 ドーバー海峡を挟んだフランスとの文化の共通性を感じました。
13.オーバーアマガウのペンション/
Oberammergau
個人でドイツ旅行をした時に、バイエルン地方のオーバーアマガウという、壁画で有名な小さな街で泊まった可愛いペンションです。以前からこういう所で泊まるのが夢でした。この街は小さいので、あまり大きなホテルはなく、この規模のペンションが何件かありました。私たちが泊まったのは三階建てのペンションで、壁が真っ白で窓辺のベゴニアが真っ赤。その対比がとても鮮やかで、オーナーのセンスを感じました。庭には白と青のチェック柄のバイエルン州の旗が立っていました。
14.ローテンブルグ/Rothenburg
ドイツ・ロマンチック街道のローテンブルグのブルグ公園の入り口の風景です。 ローテンブルグは3度目でしたがツアーだとじっくり見れず、 個人で来て初めてこの場所に気がつきました。 可愛い街なのでどこも絵になりますが、独特の屋根の形が面白く、 ツタのからみ具合も見事。 今にも白馬に乗った騎士が出てきそうな風景です。
15.白川郷/Shirakawagou
白川郷が世界遺産に登録された年に、初めてここを訪れました。やっぱり素晴らしいところですね。
到着して、周辺を散歩しながら、鉛筆でササッと。泊まった民宿の近くの、大小様々な合掌造りの家屋が点在する路地で描きました。
16.白川郷の民宿/Shirakawagou pension
私が泊まった白川郷の合掌造りの民宿です。季節は秋で、稲刈りが終わったばかりののどかな風景。こういうのが日本の原風景なんでしょうね。これは水彩絵の具で色付け。屋根の茅の質感を出すのが一番難しかったです。
17.ヒートホールン/Giethoorn
これはオランダのヒートホールンという村で、「北のベネチア」とも呼ばれる、水路が巡る美しい村です。友人と一緒にベネルクス三国を廻る旅で訪問しました。茅葺き屋根がまるでおかっぱ頭のようで何とも可愛い。同じ茅葺きでも日本の合掌造りとは構造が全く違うのが興味深いです。
この日はちょうど年に一度の祭りの日で、祭りも見られて超ラッキーでした。
18.ザーンセ・スカンスの風車/Zaanse Schans
ベネルクス旅行の最後に訪れた、オランダ・アムステルダム郊外にある風車村の風景です。
風車が数基、今でも粉をひいたりするのに使われています。広大な敷地の中にお店やレストランが点在し、ヤギやウサギがいたり、牧場もあって馬に乗っている人もいたりして、一つの村のようになっていました。まさに絵本に出てくるヨーロッパの村。とてものどかな所でした。